クッキーを焼いたことがない従兄弟2人がガソリンスタンドで味見を集め、5年で年商$1Bを超えた
Jason McGowan と Sawyer Hemsley は2017年、Utah State University 在学中の Sawyer が個人資金$68,000を投じてユタ州ローガンに1号店をオープン。「週替わりドロップ」と TikTok を組み合わせた仕掛けで、2024年には全米1,059店舗・年商$1.2B に到達した。

取材時の様子 — Photograph by Editorial Team
BUSINESS AT A GLANCE
Jason McGowan と Sawyer Hemsley は従兄弟同士で、ベーキング経験ゼロの状態から Crumbl Cookies を立ち上げた。Jason は Ancestry.com 出身のテクノロジー畑、Sawyer は Utah State University のマーケティング専攻在学中に個人資金$68,000を投じて1号店をユタ州ローガンに開いた。
ガソリンスタンドで「A/Bテスト」したクッキーレシピ
2人は週末になるとローガン市内のガソリンスタンドへ車で出向き、2種類のチョコチップクッキーを赤の他人に手渡してどちらが好きかを尋ね続けた。データを取り、レシピを書き換え、また配る。プロのベイカーがいない代わりに、味の決定権を完全に顧客に委ねた。
ピンク色の箱とブランド設計
Sawyer はマーケティングのバックグラウンドを活かし、4枚のクッキーが収まる「ピンクの箱」をブランドの中心に据えた。SNS で写真映えする一貫したフォーマットを意図的に作ったことで、後の TikTok バイラルが成立した。
ファッション業界に学んだ「週替わりドロップ」モデル
Crumbl の中核は、6種類のうち4種類のフレーバーを毎週日曜23時に入れ替える運用だ。希少性とリピート理由を同時に作り出すこの設計は、ファッション業界の限定コレクションから着想を得ている。新フレーバー発表は TikTok で行われ、毎週がローンチイベント化する。
「クッキーを焼く方法は知らなかったが、誰がクッキーを欲しがっているかは観察できた」── Sawyer Hemsley(Crumbl 共同創業者)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 創業年 | 2017年 |
| 初期投資(自己資金) | $68,000 |
| 店舗数(2024年) | 1,059店舗 |
| システム売上(2024年) | $1.2B |
| 年間クッキー販売枚数(2022年) | 3億枚以上 |
| 週替わりフレーバー | 毎週日曜23時に4種ドロップ |
1号店で起きたこと——行列が回り続けた最初の48時間
ローガンの1号店オープン直後から、行列が途切れなかった。地元の口コミと SNS の写真が同時に拡散し、収益が想定の何倍にもなったことで、2人は「フランチャイズ化前提」の運営マニュアル整備に即座に舵を切った。
この記事のポイント
- 01プロのベイカー不在のままレシピを「ガソリンスタンドでA/Bテスト」する泥臭いユーザーリサーチが、後の標準化と全国展開の基盤になった。
- 02ファッション業界の「週替わりドロップ」モデルを菓子に持ち込み、TikTokで毎週のローンチイベント化を仕掛けたことが食品チェーンとして異例のSNS拡散を生んだ。
- 03ピンクの箱というブランド要素を1号店から固定したことで、店舗数が増えても写真の質が均一化し、ユーザー生成コンテンツが資産として複利で積み上がった。
参考:CNBC / The Hot Startups
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